
大前研一 アイドルエコノミーで稼げ! ―"空き資源"は宝の山
内容紹介
バブルのころ箱根に温泉付きの別荘を購入した知人は、維持費や管理費の負担がばかにならないと、ここ数年ずっと頭を抱えていました。ところが、先日久々に会ったら、やけに機嫌がいいのです。理由をきくと、件くだんの別荘をAirbnbに登録したところ、箱根を訪れる外国人観光客の宿泊先として人気となり、いまでは毎月の収入がなんと一〇〇万円超。部屋掃除のおばさんに三〇万円を支払っても手元に七〇万円も残るので、笑いが止まらないのだとか。
このように、使われていない=アイドル(idle)状態にあるリソースを利用して利益を生み出す新しい経済のフレームワークを、私はアイドルエコノミーと呼んでいます。
似たような言葉にシェアエコノミーがありますが、こちらはカーシェアリングやシェアハウスのように、事業者が自前のリソースとユーザーをマッチングさせるビジネスモデルです。
これに対してアイドルエコノミーは、自分でリソースをもつ必要はありません。インターネットを使えば、「使われていないもの」とそれを「使いたい人」の両方を簡単に見つけることができます。それらをマッチングさせることで新たな価値を生み出すことができるのです。
たとえば、日本の空き家率は約一三・五%。しかも少子高齢化が進めばこの割合はさらに増えていくのは間違いありません。この事実を知って、空き家と空き家を使いたい人を結びつけるビジネスを考えるのが、アイドルエコノミーの発想です。
本書はアイドルエコノミーの解説だけでなく、アイドルエコノミーを活かしたビジネスの実例も多数紹介しています。 読み終えたときには、大きなビジネスチャンスが眠っているアイドルエコノミーに、あなたもきっと参加したくなっているはずです。
大前研一